D-1 イネス「キャッスキル山」

d-01 イネス「キャッスキル山」

 アメリカの美術はその国の歴史とともに新しく、19世紀になってはじめて本格的な活動をみせます。イネスは19世紀も後半に属する画家ですが、若いアメリカを代表する作家の一人です。風景画家としてフランスのミレーなどのバルビゾン派やイギリスの風景画家たちの影響をうけ、特に前者からはこの絵にみられますように、温和で抒情的な画風を学んでいます。画面の中央に左右がながく裾をひくキャッスキル山を境にして上下に大きく広がる空と原野を配してみごとに纏めあげています。また、西に傾きはじめた陽が雲の切れ間から原野におとす光を捉えたハイライトや、そのかげりをうけた一角を散策する人々のシルエットが、画面に浪漫的な雰囲気をつくり出しています。

 

 

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