D-18 フラゴナール「読書」

読書

ヴェルサイユ宮殿を中心にくりひろげた豪奢なサロン文化と華咲く18世紀をロココ時代と呼んでいます。ロココとは、貝殻を散りばめた人工岩(ロカイユ)からきています。今日《フランス的》といわれるあの洗練された優雅で、しかも軽妙なウィットに富んだ社交は、すべてこのサロンから生まれたといえます。そして、このサロンに奉仕する宮廷画家たちは、その雅びな饗宴を絵筆に託したのです。フラゴナールもその一人です。もちろん、この絵は特にそうした宮廷の貴婦人を描いたものではありませんが、官能的で粋な彼の画風がうかがわれる名作です。レースの襟に対応して明るく輝く横顔、本を開いた華奢な指先など、滲み出るような優しさと甘さが、見る者の感覚を刺激します。

 

複製一覧ページへ戻る→