D-23 ユトリロ「コタンの小路」

コタンの小路

パリのモンマルトルというと、かつて自由と安い生活を求めて芸術家たちが集まってきたところです。そこの申し子のように生まれ育ったのがユトリロです。彼の母バラドンもそこのモデルであり画家でした。そして彼ユトリロは生まれついてのアルコール中毒症だったといいます。しかし、その酒乱とまた一転して孤独な憂鬱の繰り返しの中で、ひたすら、しみに汚れたモンマトルの町並みを描き続けました。この絵が描かれた1910年頃は、《白の時代》と呼ばれていますが、現代人の感傷をさそう独特の白とそして暗色の対比、そして同時に定規で引いたような直線と面との折りなすトギすまされたシャープな造形は、見る者を惹きつけずにはおきません。

 

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