D-24 ユトリロ「モンマルトル風景」

モンマルトル風景

パリのモンマルトルの丘に集まってくる画家たちのモデルであり、彼女自身も絵を描いていたバラドンが若い頃、父親もわからない男子を産みました。その子がユトリロです。しかも、その子は生まれながらにしてアルコール中毒症でした。酒乱と奇行、激情と憂鬱、そして精神病院と、繰り返しているうちに、すすめられて絵筆を取るようになったといいます。この絵が描かれた1910年頃というと、いわゆる《白の時代》と呼ばれており、酒乱の時代であると同時に、彼の芸術の最も優れた時代でもあったのです。彼の孤独な心をそのまま定着させたような、しみのついた壁、それでいて不思議にさえたその世界は、いつも現代人の感傷を誘います。ちなみにこの通りは、いまもあるモン・スニ通りです。

 

複製一覧ページへ戻る→