D-55 マネ「カーネーションとクレマティス」

カーネーションとクレマティス

作者マネは1883年に没していますから、この作品は最晩年の作ということになります。彼は晩年に足の自由がきかなくなってから、椅子にかけて、もっぱら小さな静物画を描いています。とりわけ花をよく描き、ことにカーネーションを好んだといわれています。あまりのみずみずしさのために、絵がまだ濡れているようだと言った批評家がいましたが、そのみずみずしさとは、いいかえますと、つかの間の花のいのちを、永遠のそれに変えたものだといえましょう。マネの父は裁判官で母は外交官の娘という家庭に生まれましたが、画家を志し、詩人ボードレールや小説家ゾラなどとの交友をとおして、つねに革新的な絵画の道を歩き、ルノワールやセザンヌなど当時の若い画家たちに大きな影響を与えました。

 

複製一覧ページへ戻る→