D-56 ルノワール「読書する女」

読書する女

印象派の画家たちは何よりも光を愛しました。しかもその光は樹木や水面にまばゆくふり注ぐそれでした。ルノワールもこの派の一人ですが、彼は自然のかわりに、好んで人物をテーマにして光の効果を探したといわれます。豊満な輝く女性の肉体はルノワールの得意とするところですが、この絵にみられますように着衣の女性像も決して少なくありません。この少女は窓辺にいますから、その顔は逆光であるはずです。だのにその顔は一面に光り輝いています。人工的な光を当てない限りカメラでは、こうはいきません。そこで画家ですから、それでいて少しも不自然でありません。また、他の印象派の画家たちが刻々と移っていく光を追ったように、この画家にもはげしくぶつかり合う光が絶え間なく流れています。

 

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