D-57 セザンヌ「デルフトの花瓶の花束」

デルフトの花瓶と花束

"画家とは色彩、輪郭および面のうちにさまざまの関係を打ち立てる芸術である。"これはセザンヌの有名な言葉ですが、この言葉からもわかりますように、画家とは感覚の表現であり、自己の実現であるというのが彼の確信であったようです。つまり一人の画家の個性がものを創り出すのであって、画家の向かい側にあるものを受動的にカンヴァスに移されるのではないということです。このことは現代画家にとっては常識ですから、彼が"現代画家の父"といわれるのもうなづかれます。デルフトの花瓶の花束は花の強い赤やピンクや青や白、葉の緑、それに花びらの半透明の空色がたいへん美しくその輪郭線が内部の色彩から離れており、生命力を持って動いているかのようにさえ感じられる。繊細であるがゆえの美しさという点でこの静物画は抜群の出来栄えをみせている。

 

複製一覧ページへ戻る→