D-74 ローレンス「マリー嬢」

マリー嬢

肖像画というものは、ただ、顔かたちが似ていればよいというものではありません。マリア像が神の啓示を表したり、風景画が自然のもつ神秘さを写し出すように、肖像画は描かれるひとの感情の動きはもちろん、その内面的な性格までも描き出されていなければ、すぐれた肖像画とはいえないのではないのでしょうか。ご覧のように、勝気で利発そうな少女のすべてがよく表れています。このようにモデルの演ずる瞬間の動作を捉えるというのは、肖像画としてはめずらしいことです。作者ローレンスは、19世紀のイギリスで最も有名な肖像画家です。10才で、すでに画家としての修行をしていたといいます。宮廷画家となり、ジョージ四世をはじめとするヨーロッパ各地の元首や政治家の肖像を描いています。

 

複製一覧ページへ戻る→