D-61 中谷貞彦「リラ」

リラ

1926年(大正15年)東京生まれ。東京美術学校(現東京芸術大学)油彩科の安井教室に学び、フランス留学後、立軌会を中心として画壇で活躍。現在、立軌会の同人、日本大学芸術学部美術学科教授として、長年後進の指導に当たっている。柔らかく、しかも色の冴えがあり、美しいリズム感に満ちたその絵は、今なお精神の実在を芸術の中に追求している。1991年優れた画業をあげた具象洋画家を選んで贈られる第6回の小山敬三美術賞を受賞。リラの春、うすい紫色の花がひらく様子をみずみずしく鮮やかに描いた作品である。隣りあい重なりあい重なりあう色と色の間から、光と影、空気が生まれ感興を呼びおこしてゆく。その生成の現場そのものが彼の作品なのである。色彩感にかけては、現代油彩家中、指折りの一人である。 

 

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