その時、その本(R1.10.16更新)

 今回の担当は・・・すみれです。

 

 写真家であり、探検家でもある星野道夫さんは、

 著書の中にこんな言葉を残している。

 

 人生はからくりに満ちている。日々の暮らしの中で、

 無数の人々とすれ違いながら、私たちは出会うことがない。

 その根源的な悲しみは、言いかえれば、

 人と人とが出会う限りない不思議さに通じている。 

 

 『旅をする木』(星野道夫//文藝春秋//914-ホ p.145)

 

 私は思う。

 読書はからくりに満ちている。日々の暮らしの中で、

 人は無数の本に囲まれながら、ページをめくらなければ

 心を動かされることはない。その根源的な悲しみは、

 言いかえれば、人と本とが出会う限りない不思議さに通じている。

 

 『人生論ノート』(三木清//青竜社//121)という本を

 読み返していた時のこと。おや?と不思議に思った。

 本の印象が最初に読んだ時と違っていたのである。

 というより、印象に残っていたところ以外はうろ覚えで、

 こんなこと書いてあったっけ?と思う箇所がたくさんあったのだ。

 そしてさらに、その「覚えていなかったところ」に、

 心にしみる言葉が書かれていた。

 読み進めるうち、当時の自分が抱えていた悩みに関係する部分のみ、

 真剣に読んでいたのだと気が付いた。

 そうか、あの頃こんな事で悩んでいたなぁ…、と過去の感情も一緒に思い出した。

 そして数年後、また同じ本を開けば、今の自分にとって助言になるような文章に、

 ピントを合わせて読んでいたのだ。自分勝手なものである。

 

 本が好き、本屋が好き、図書館が好き…。

 そういった方は共感してくださるのでは、と思うのだが、

 ふと何気なく手に取った本に、自分が求めている言葉が書かれていた、

 という経験がないだろうか。

 もしかしたら、「ふと何気なく」ではなく、書名や装丁、

 もしくは図書館や古本屋さんなら、その本のくたびれ具合から発せられる

 何かしらのメッセージを、無意識のうちに受けとっているのかもしれない。

 そうして出会ったその本は、恩師のように、パートナーのように、

 その後大切な存在となるのである。

 

 …え?本とそんな出会いをしたことがない、って?

 お任せください。その出会い、図書館が用意いたします。

 

 10月27日(日)から11月9日(土)は読書週間!

 今年も「本の福袋」を開催します。

 

 期間・・・10/27(日)10:00〜なくなり次第終了

 数量・・・子ども用50袋 大人用30袋

 内容・・・中身がわからないよう袋に詰めた本を2冊セットで貸出します。

 

 それぞれの袋にはテーマが書いてあります。

 普段、自分ではあまり手に取らない作家さんやジャンルの本と

 出会うかもしれません。

 手に取られる方の、お気に入りの一冊になりますようにと願いを込めて、

 ただいま準備中です。

 福袋@福袋A