梅に鶯(H31.3.31更新)

 今回の担当は・・・新米、いやまだ塩水に使った種籾です。

  

  毎年この時期になると思うことがあります。

 梅の花の頃にはまだまだ「ケキョ、ホケ・・」と練習中のが、

 桜の花の頃になると「ホーホケキョ」と美声を聞かせてくれるようになるので、

 「梅に鶯」より「桜に鶯」の方がぴったりではないかと…あせあせ(飛び散る汗) 

 

 「梅に鶯」とは、中国の故事で、「絵になるよい取り合わせ」「仲の良い間柄」

 のたとえです。

 美しい声で早春を告げる鶯と、美しい花で春の訪れを知らせる梅の組み合わせが、

 詩歌や絵画の題材として古来より使われてきました。

 これが日本にも伝わり、和歌にも取り入れられるようになりました。

 韓の『「梅に鶯」の成立と変容 : 日中比較の角度から』によると、

 「梅に鶯」を詠んだ歌が『万葉集』に13首あるそうで、

 その中から一部を紹介します。

            

 梅の花散らまく惜しみ我が園(その)の 

          竹の林にうぐひす鳴くも  

                少監阿氏奥島(せうけんあじのおきしま)

 

 春されば木末(こぬれ)隠(がく)りてうぐひすそ

          鳴きて去(い)ぬなる梅が下枝(しづえ)に  

                少典山氏若麻呂(せうてんさんじのわかまろ)

 

 梅が枝(え)に鳴きて移(うつ)ろふうぐひすの

          羽白(はねしろ)たへに沫雪(あわゆき)そ降る

                作者未詳

 

 現代の日本では、慣用句として定着している「梅に鶯」ですが、

 先ほど私が書いたように、「梅」と「鶯」は本当にぴったり

 なのでしょうか?少し考えてみようと思いますわーい(嬉しい顔)

 例えば、花札の2月札は「梅に鶯」ですが、梅の枝にとまっているのは、

 緑に黄色が混じる鳥です。でも、鴬といえば茶色

 緑に黄色といえば…メジロですね。季節もちょうどこの時期のものです。

 もしかして描かれているのは、「梅にメジロ」ではないでしょうかexclamation&question

 『身近な鳥の図鑑』には、この鶯とメジロを比べて、

 “「梅にうぐいす」ということばがあるが、ウメの枝にウグイスがとまることは、

 めったにない。うぐいす色をした鳥を木の枝で見たとすれば、多分メジロだ。”

 という記述までありました本

 前出の韓によれば、中国の鶯は、日本で「コウライウグイス」と呼ばれており、

 オスの羽根は黄色、メスは緑がかった黄色。日本の鶯とは種類がまったく違うそうですexclamation×2

 メジロではなく、コウライウグイスでした。

 

 そもそも、漢詩の「梅に鶯」は、梅の木に鶯がとまっている様子を詠んだのではなく、

 春にまず咲く梅の花(桜では遅いんです)、春を告げる使者とみなされる鶯

 (まだまだ鳴き方は練習中でもいいんです)を、早春の風物として、

 縁起のいい組み合わせとして詠んだものなんだそうですひらめき

 

  改元に伴う新元号や、大相撲の昇進伝達式で述べる口上など、今、日本語に

 注目が集まっています。気になる言葉、いろいろなことわざ、

 たくさんの漢字などについて調べてみてはいかがでしょうかexclamation&questionるんるん

 

 20190331・梅に鶯@20190331・梅に鶯A20190331・梅に鶯B

 

【参考資料】

『「梅に鶯」の成立と変容 : 日中比較の角度から』

  韓 著/國學院大學大学院文学研究科/国立国会図書館サーチ

 

『万葉集』2・3 岩波書店/B911.1

 

『身近な鳥の図鑑』 平野伸明 著/ポプラ社/488