ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

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 『カーネーション・デイ』
 ジョン・デヴィッド・アンダーソン//ほるぷ出版//93-ア


 学校にはいろんな嫌な先生がいる。自分勝手に生徒を叱る、授業がつまらない、生徒に興味がない…。でもいい先生もいる。いつの間にか集中して授業を受けていたら、その授業をしているのはいい先生。そういう先生にはあいさつしたくなるし、がっかりさせたくないと思う。
 トファーたちの担任、ビクスビー先生は学校で数少ないいい先生。美人じゃないけど、笑顔が可愛くて髪にはピンクのメッシュが入っている。いい先生のいる教室は居心地が良い。トファー、スティーブ、ブランドは、叱られた時もビクスビー先生には素直に謝ることができる。

 ある日帰りのホームルームで、先生は自分がガンをわずらっていることを告白した。先生は泣き出す女子たちを「大丈夫よ」と気遣うが、全然大丈夫ではなく、その後病休に入り担任の先生が変わってしまう。

 両親の愛情に飢えているトファー。優秀な姉と比べられて自信がないスティーブ。母を亡くし、無気力な父と二人暮らしのブランド。いつも先生に励まされてきた3人は、お見舞いに行くことを決める。

 初めて学校をサボって、見知らぬバスに乗り込む。寄り道をし、タトゥーの男にお金をだまし取られ、怪我をし、ケンカをし、仲直りをした。ビクスビー先生に会いに行く道中で、3人は今まで知らなかった友達の内面を深く知ることになる。

 たった1日で大きく成長した少年たちの冒険譚。

 

 

 

 

 

   

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 『スピニー通りの秘密の絵』

 L.M.フィッツジェラルド//あすなろ書房//93-フ

 

 交通事故に遭った祖父が、現場に居合わせたセオに残した最期の言葉は「卵の下を探せ」「卵の下に手紙と宝物」だった。

 ニューヨーク、周りの高層ビルにそぐわないぼろ家に13歳の少女セオは、引きこもりの母と暮らしている。祖父が死んでから、何もかもすっかり変わってしまった。祖父の退役軍人年金が支給されなくなったから、お金もない。セオは祖父の言った「卵の下の宝」を探すことに。

 家の卵置き場の下には、芸術家だった祖父が描いた絵が飾られていた。見慣れた抽象画だが、偶然消毒用のアルコールがかかった時、表面が溶け出し祖父の絵の下に、キリストを抱いた聖母マリアの絵が現れた。祖父に連れられ、ニューヨーク中の美術館を遊び場に育ったセオは、それがルネッサンス期の画家ラファエロものではないかと考えた。

 どうして我が家に?祖父はなぜ絵を隠していたのか?セオは有名俳優を両親に持つセレブ女子、ボーディと共に絵画と祖父の過去に迫る。そこに浮かび上がってきたものは、第二次世界大戦下の美術品をめぐるナチスとの戦いだった。

美術と歴史のミステリーが詰まった、爽やかな夏の冒険。

 

 

 

 

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 『生き延びるための作文教室』

 石原 千秋//河出書房新社//81

 

 小学生から大学生まで、学生さんの図書館利用が多くなる夏休み。課題のヒントになる本を探し、頭を抱えたり、書架の前で固まっていたり。中でも読書感想文は学生さんたちの大きな悩みのようで…。

 最初の一文、書き出し方がわからない。あらすじを書き写しているだけ。感じたことを箇条書きにしたような単調な文章になってしまう。そんな方におすすめの本です。

 基本中の基本、原稿用紙の使い方から、読み手を意識した文章の書き方、かっこいいタイトルのつけ方(「『〇〇』を読んで」ではもったいない!)、段落の組み立て方、つまらない文章の添削、などなど。

  作文はウソをつくことである、と掲げる著者の本格作文教室。読み進めると「生き延びるための」という書名の意味が理解でき、若い人たちへのエールが詰まった教養エッセイとしても楽しめます。

 

 

 

 

 

 

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  『飛び込み台の女王』

 マルティナ・ヴィルトナー//岩波書店//94-ビ

 

 ドイツの体育学校に通うカルラとナージャは、飛び込みの選手として日々練習を重ねている。一見目立たないタイプなのに、  カルラが飛び込み台に立てば、観客は彼女に魅了される。  空中での演技、そして着水後には大きな拍手と歓声が上がる。彼女は「自分の人生のすべてを一瞬に詰め込む」という強い気持ちで宙を舞っている。同い年で家が隣りでクラスも一緒。ナージャにとってカルラは親友であり、憧れである。絶対無敵の女王だった。

 オリンピックを目指すエリートクラスでは、成績の残せない級友が次々と消えていく。誰もがライバルという緊張感の中で少女たちは生きている。しかしナージャは、カルラに勝ちたいとは思わなかった。親友として彼女を支えたいと思っていたのに、気持ちは少しずつ変化していく。体が女性らしく成長すること、カルラのママに恋人が出来たこと、ナージャがクラブチームの年上の少年に恋心を抱いたこと…。小さな原因が積み重なり、ナージャが初めて「カルラに勝ちたい」と思った日、とうとう二人の関係は変わってしまう。

 火花が飛び散るような熱血スポーツ小説ではない。少女たちの内に秘めたる情熱が静かに燃え上がる傑作。

 

 

 

 

 

 

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 『忘霊トランクルーム』

 吉野 万理子//新朝社//F-ヨ

 

 17歳の夏休み、潮風と太陽が光る湘南。時給は800円で、仕事は平日の17時から22時のみ。一人暮らしの部屋付き。最高の夏だ。

 星哉はアメリカへ長期の旅に出る祖母の代わりに、祖母の管理するトランクルームで住み込みのバイトをすることに。トランクルームとは貸し倉庫のことで、自宅に置けない荷物や家財を置く場所らしい。

 せっかちな祖母から仕事の説明を受けている時、廊下ですれ違ったワンピースの美女に挨拶をした星哉は、祖母から「あんたも見えるのね」と言われる。不安になった星哉に「何かあればここを利用している西条さんを頼るように」とだけ言い残し、祖母はさっさと出かけてしまう。

 西条さん(美人。最高の夏だ。)は星哉に、ワンピースの女性は幽霊ではないかと指摘する。彼女には見えないが祖母から話を聞いていたという。何年も持ち主が取りに来ない物、預けたことすら忘れられた物、持ち主が亡くなっているかもしれない物。トランクルームに置き去りにされた物にとりつく霊らしい。

 次の日、ワンピースの美女日下部さんと話した星哉は、彼女が自分は霊だと理解していることを知る。別れた恋人からもらったペンダントにとりついている彼女を成仏させてあげたいと思った星哉と西条さんは、心残りを解放しようと試みるが…。最高の夏は、いったいどうなる?

 

 

 

 

 

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 『人がいじわるをする理由はなに?』

 ドゥニ・カンブシュネ//岩崎書店//15

 

 「いじわる」は、暴力的な人や集団だけが起こすことではない。ごく普通の人々、ごく普通の関係において、日常的に見られる。

 いじわるには、いろんな種類や程度がある。まずは相手にネガティブな感情を持つことから始まる。不信感、怖れ、軽蔑、憎しみ、妬みや怒り。例えば不信感によるいじわるは、敵意を持ったり、相手が困っていても助けなかったりする。軽蔑と憎しみも違う。本当に軽蔑したら相手のことはどうでもよくなり、考えなくなる。けれど憎しみは、苦しめたり、侮辱したりするために相手のことを強く考える。喜びを与えてくれる対象だからだ。

 いじわるな心があっても、自分の中には間違いなく良心がある、とあなたは思うかもしれない。しかし私たちの良心は、様々な場面や状況により弱められたり、変化したりする。例えば暴力、貧しさ、虐待、ドラッグやアルコール依存、洗脳、プレッシャー。それらの元で、人は良心を持ち続けられるのだろうか。…なんだか怖くなってきた?

 この本は「いじわる」についてびっくりするほど詳しく書いている。心配になった人は続きを読んでみて。自分の中にあるいじわるな心と向き合うことができる。

 

 

 

 

 

 

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  『やり残した、さよならの宿題』

 小川 晴央//KADOKAWA//F-オ

 

  小学四年生の青斗と鈴が暮らす小さな港町、土岐波には伝説がある。時をつかさどる女神「トキコさま」に願えば、過去に時渡り(タイムスリップ)させてくれる、というもの。
 青斗は夏の終わりに町から引っ越す鈴に、最高の夏休みをプレゼントしようと考える。二人が遊ぶ計画を立てるために集まった神社で出会ったのは、都会からやってきた美大生の一花。彼女の祖母が土岐波で育ったらしく、祖母のために思い出深い町並みをスケッチしに来たらしい。青斗と鈴は、絵を描く手伝いをすることで一花と親交を深めていく。


 キレイだけどちょっと変な一花(初対面の時も神社で死体みたいに寝ていたのだ)と一緒にいると、不思議なことが何度も起きる。楽しいと思う反面、青斗は彼女は「トキコさま」の化身ではないか?と考える。
 ちりばめられた小さな謎を一つずつ繋いでいけば、不思議で切ない、最高の夏休みが完成する。

 

 

 

 

 

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 まともな家の子供はいない』

 津村 記久子//筑摩書房//F-ツ


 うっとおしい。面倒くさい。だるい。暑いだけで腹が立つ。中学3年、受験生のセキコは、ただただ不快な夏休みを過ごしていた。
 気分屋で無気力な父は、失業中で毎日家にいる。そんな父を甘やかす母、要領がよくて生意気な妹。自宅に居たくないセキコは、図書館や友達の家を転々とし、ナガヨシ、クレ、室田とつるむようになる。ちなみにナガヨシの父は実家に家出中、不登校中のクレの母は家じゅうの食器を割った末行方不明、室田の母にも後ろ暗い秘密があるらしい。ニュースになったり、学校で特別な目で見られるほどではないけれど、それぞれ問題を抱えている家庭ばかりだ。  
 「大人だから」「子どもだから」を理由に叱られたり、諭されたりすることの理不尽さに気づき始めた彼らの感情は、複雑にとがっている。セキコは父親と縁を切りたいと本気で思う一方、家計への負担を心配し公立の高校を受験せねばとも考えている。
 ささくれた心を抱えていても、どこかひょうひょうとしてたくましいセキコたちの中学生最後の夏。

 

 

 

 

 

 

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 『ラオスにいったい何があるというんですか?』

 村上 春樹//文藝春秋//915

 

 長期休暇には旅が似合う。誰も自分のことを知らない世界を観光したり、その土地のものを食べたり、ただただぼんやり行き交う人々や海や山を眺めたり。あぁ…。遠くへ行きたい…。

 そんな「旅をしたい」欲求には紀行文、旅エッセイがおすすめです。村上春樹さんは、日本でも海外でもかなり有名な作家さん。(ここ最近毎年ノーベル文学賞に選ばれるか否か、と騒がれているあの方です。)

 かつて住んでいたというアメリカ、ボストンから始まり、文学の国アイスランド、どこにあるの?と聞いてしまいそうなミコノス島、スペッツェス島、ニューヨークの愛するジャズクラブ、表題のラオスや熊本まで、縦横無尽に旅をします。そのフットワークの軽さと街に自然に溶け込む姿には憧れるばかり。

 どこにも行けない夏を過ごす方。地図帳を片手に村上さんと脳内旅行をしませんか。

 

 

 

 

 

 

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  『ドームがたり』

 アーサー・ビナード 作・スズキコージ 絵//玉川大学出版部//P-ビ

 

 とおくから広島のまちへやってくる人は「原爆ドーム」とぼくをよぶ。

けど広島にすんでいる人はただ「ドーム」というんだ。「原爆」って、ぼくにとっては苗字みたいなものかな……

 現在では、核兵器の廃絶、世界平和を願う象徴として存在する原爆ドーム。もともとは「広島県物産陳列館」として、大正4年に誕生した。チェコの建築家が設計したレンガ造りの美しい建物は、地域の人たちから愛され、幸せだった。しかし彼が20歳くらいになった頃から、大人たちは戦争の話ばかりするようになった。それは加速し、ついには「お国のため」と子どもたちまでが口にするようになる。

 そして1945年8月6日。ドームは何を見たのか。そして今なおドームが恐れている「ちっちゃいつぶつぶ」とは何のことか…。

 戦前から広島の街を見守り続ける「原爆ドーム」が、広島、戦争、未来について語る。

 

 

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