ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

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 『あなたのいない記憶』 

  辻堂 ゆめ//宝島社//F-ツ

  

 高知県から上京したての優希は、大学で同じ絵画教室に通っていた2歳年上の淳之介と約十年ぶりに再会した。慣れない都会で同じ方言の人との懐かしい会話に花が咲くが、小学校も学年も違う彼らの唯一の接点である絵画教室について、そして「タケシ」という人物について、二人の記憶は全く異なっていた。

 淳之介は絵画教室は火事になって建物が取り壊され、「タケシ」は教室の先生の息子で、今はバレーボールの日本代表の選手として活躍している「小田健志」だと言う。

 優希は教室が火事になったことなど全く記憶になく、「タケシ」は同じ頃もらった絵本『キングのぼうけん』の登場人物「タケシ・ナガサカ」だと言う。

 この記憶の不一致を不気味に思った二人は、SNSを使い同じ絵画教室に通っていた吉江京香という女性を捜しだした。彼女もまた、東京で働いていることがわかり、当時のことを聞くために会う約束を取り付ける。

 京香もまた、絵画教室と「タケシ」について、特別な想いがあった。

 人が自分の中で、存在しないはずの記憶を作り上げるという「虚偽記憶」をテーマにした、謎が散りばめられたミステリー。

 

  

 

 

  

 

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 『ドラゴンの塔』

 ナオミ・ノヴィク//静山社//933-ノ

  

  侵蝕を続ける穢れた森に囲まれた、谷間の小さな村には奇妙な風習がある。10年に一度「ドラゴン」によって、1人の17歳の娘が選ばれ、谷はずれの塔で10年間ドラゴンと共に暮らさなければならない。「若い娘が生け贄にされる悲劇の物語」ではない。ドラゴンとは竜ではなく、村の領主であり、100年以上生きている偉大なる魔法使いの男の名だ。

 アグニシュカは17歳。そして今年はドラゴンがやってくる年。アグニシュカは、大柄で美しくもなく、秀でたところのない自分が選ばれることはない、と思っていた。しかし、集められた娘たちの中から、ドラゴンに指名されたのは彼女だった。

 塔で彼女を待っていたのは、魔法の特訓の日々。ドラゴンは彼女の中に眠る、魔法使いの素質を見抜いていたのだ。

 几帳面で美しいものを愛する師匠・ドラゴンと、がさつでおおざっぱな弟子・アグニシュカ。相容れない二人が対峙するのは、意思を持つかのように人間をむしばみ続ける森。

 魔法、呪い、決闘。怪物退治に囚われた王妃様。そしてまさかのロマンス…。寝不足覚悟の、長編ダーク・ファンタジー。

 

          『ドラゴンの塔 上』  『ドラゴンの塔 下』

 

 

 

 

 

 

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  『庭のたからもの』

 大野 八生//小学館//47

  

  最近土に、草に、触りましたか?春夏秋冬。いつだって自然と触れ合うチャンスはあります。公園、道端、街路樹をじっくりながめれば、季節の移ろいを感じることができます。おうちに庭が無くても大丈夫。ベランダや窓辺の小さなスペースに自分だけの緑の世界を作ることもできます。

 春一番に咲く花は何色?四葉のクローバー探しのヒント。食べられる植物の育て方。種を飛ばすたくましい植物たち…。すべてのページに描かれたオールカラーのイラストは、すみずみまでカワイイ!

 イラストレーターであり、造園家でもある植物のプロ、大野さんの自然への愛にあふれた一冊です。

 

 

 

 

 

  

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  『僕は上手にしゃべれない』

 椎野 直弥//ポプラ社//91-シ

  

 「上手にしゃべれない」人はたくさんいる。無口、人見知り、口下手。滑舌が悪かったり、話の構成や説明が下手だったり。でもそういう「しゃべれない」ではない。 

 主人公の柏崎悠太は「吃音(きつおん)」を抱えている。吃音とは言葉を滑らかに発することができない症状。悠太の場合、「ぼぼぼ、ぼぼ僕は」などと発声してしまう「連発」と、言葉が出てこない・出るのに時間がかかる「難発」がある。

 中学校の入学式。手に汗をびっしょりかくほど緊張した彼は、自己紹介で自分の番がまわってくる直前に教室から逃げ出してしまう。下校時間、彼が手渡されたのは放送部の勧誘チラシ。そこには「練習すれば、あなたも上手にはっきりと声を出せるようになります」と書かれていた。そんなわけない、と思いながらも次の日の放課後、悠太は放送室の前にいた。

 笑われる。からかわれる。気味悪がられる。話すことから逃げる悠太は、これからの学校生活、さらに就職のことを考えると不安だった。そんな彼が踏み出した一歩、放送部の見学から世界は大きく変わる。同じく放送部に入部した美少女、古部さんという生涯初めての友達を得たのだ。でも「悠太以外、みんな嫌い」と言う古部さんにも、大きな悩みと秘密があって…。

 作者の椎野直弥さんも吃音を抱える一人。あとがきで、子ども時代に一番悩み、学校という場所で必死に戦っていた、と書かれます。重松清さんも、同じく吃音をお持ちの作家。重松さんも『きよしこ』 『青い鳥』などで、吃音について書かれています。気になった方は読んでみてください。椎野さんも重松さんも「吃音について知ってほしい」と思い、これらの作品を書かれています。

   

 

 

 

 

 

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 『I Love Youの訳し方』

 望月 竜馬//雷鳥社//908 

  

 生き物にとって、春は恋の季節。明治時代の文豪、夏目漱石が"I Love You" を「月がきれいですね」と訳したというのは有名な話。本書では、100人の作家たちの100 通りの"I Love You"を紹介しています。

 きみを知る前の人生を忘れてしまいたい。ぼくはきみから始まり、きみで終わる、きみがすべて、きみだけを通して呼吸している(ジャン・コクトー 芸術家)

 たったいま大事に思うならあれこれあぐねて離れてしまうことはない、世界なんてわたしとあなたでやめればいい、そしてもう一度、わたしとあなたでつくればいい(川上未映子 小説家、詩人、ミュージシャン)

 僕はあなたをおもうたびに 一ばんじかに永遠を感じる(高村光太郎 詩人・彫刻家)

 情熱的に。大胆に。キュートに。ユーモアに。時には狂気に似たり、これを言われても"I Love You"だと気づかないのでは?というものも…。

 胸を撃ち抜かれるような"I Love You"の数々に、思う存分ときめいてください。

 

  

 

 

 

 

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 『とりつくしま』 

 東 直子//筑摩書房//F−ヒ

 

 人は死んだらどこへ行くのだろう。誰もが一度は考えたことがあるだろう、正解のない疑問。

 ふわふわと漂う亡くなったばかりの魂。そこに不思議な外見をした「とりつくしま係」が近づき、問いかける。「この世に未練はありませんか」と。もし未練があるのなら、モノにとりつき下に戻ることができるという。

 野球部の息子を残して亡くなった母は、彼のピッチングを見守るロージンバッグに。家族を愛するお父さんは、リビングに置かれたマッサージチェアに。恋人がいる先輩に片想いをしていた女の子は、先輩の彼女のリップクリームにとりつき先輩とキスがしたい、と願う。

 自分だったら何になるだろう…。そしてもしかして、私たちの身の回りのモノにも、自分を見守る魂が宿っていたりして…。

 死は悲しい。別れはせつない。でもあたたかい光に包まれるような短編集。

 

 

 

 

 

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  『ことわざ生活 あっち篇』

 『ことわざ生活 こっち篇』

 絵・ヨシタケ シンスケ 文・あかいわ しゅうご//草思社//81

  

 ことわざは、「ことばのわざ」。そこには、長い間つちかってきた日本人の知恵がこめられています。『あっち篇』は、家族や友人、世間などにまつわることわざ・慣用句を。『こっち篇』は、ものの見方や日々の楽しみ、自分を勇気づけることわざ・慣用句を、それぞれ集めています。ことわざを表した絶妙なイラストに、ページをめくる度ににやりと笑ってしまいます。

 チャンスがあればすぐにでも使いたい、外国のことわざや川柳、短歌なども解説つきで紹介され、楽しみながら確実にお利口になれます。

 イラストは今ちびっこたちから絶大な支持を集めている、絵本作家のヨシタケシンスケさん。さらりと描かれた人物の表情に注目です。

 

 

 

 

 

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 竹取物語』

 星 新一・訳//文藝春秋//913

  

 中学校で習う、最初の古典作品は、『竹取物語』だった気がします。「今は昔・・・」で始まる、作者不詳、日本最古の物語。

 なじみのない言葉づかい、意味不明の文法、謎の平仮名「ゐ」と「ゑ」の出現。震え上がる中学生の前に立ちはだかる難関。古典が苦手になってしまいそうなあなたに朗報です。

 実は『竹取物語』こそが世界最古のSFだ、という説があります。竹から生まれ、あっという間に成長し、身分の高い男共を振り回し、蹴散らし、月の世界に帰っていく絶世の美女。確かにSF要素満載です。畳の匂いがしそうな物語がSFだったのかと思うと、興味がわいてきませんか。

 ということで、ヤングアダルトにも大人気のSF作家といえば、星新一さん!『竹取物語』をわかりやすく、面白く、口語訳してくれています。古典が苦手かどうかなんて関係なしに、物語の面白さに引き込まれます。

 各章の終わりに書かれている、星さんの物語へのツッコミ(解説ともいう)も見逃せません。巻末には、原文も掲載されていて、もちろん勉強にもなりますよ!

  

 

 

  

 

 

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 『相田みつを 肩書きのない人生』

 相田みつを 相田一人・編//文化学園文化出版局//728

  

 丸みを帯びた文字と穏やかに語りかける言葉。相田みつをさんの書は、見る人の感情を動かし、心に寄り添います。作品を目にしたことがあっても、相田みつをさんとはどんな人だったのでしょう。

 相田みつをさんの長男である一人(かずひと)さんが、在りし日の父を語ります。

 あのやわらかな文字にたどり着くまでの道のりは長かったといいます。そこには美しい楷書体、流れるような草書、角ばった臨書など、伝統的な書をひたすら練習し続けた日々がありました。

 そして、自分の書く言葉、詩にふさわしい文字とはどんなものか、という課題にぶつかります。「詩と書の一致」、試行錯誤の時期です。プロの書家だから、どんな文字をどんな風にも書ける。ただし上手い字を書いても、感心されることはあれど、感動させることはできない…。ひたすらに「独自」を追求し、そうしてついに、ひと目見ただけで「あ、相田みつを!」とわかる字へとたどり着いたのです。

 筆一本で生きた、力強くも柔軟なみつをさんに、一途に生きることの素晴らしさを教えられます。

 

 

 

 

 

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  『かめんやさん』

 まきうち れいみ・文 ひだか きょうこ・絵//文芸社//P-マ

 

 森の奥でひっそりと営業する「かめんやさん」。ここには別の顔になりたい動物たちがやってくる。

 地味な見た目を気にするうさぎは、シャムねこになりたい。

 いじめられっこのねずみは、大きなたてがみのライオンになりたい。

 ある日来店したきつね夫婦は、なにやら揉めている。だんなさんは奥さんのことを銀色のきつねだと思ってプロポーズしたのに、結婚後にそれが仮面だったことを知ったという。だんなさんに嫌われたくなくて、本当のことが言えなかった、と泣く奥さん。けれど二人は突然停電した店内で、毛並みが見えなくても互いに愛し合っている、と気づくことができた。

 そんな優しいエピソードの後に用意されているのは、「かめんやさん」に隠された秘密と店主の正体。ほっこり優しい気分から一転、恐ろしいラストが用意されている。

 

    

 

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