ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

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 『モノクロの君に恋をする』 

  坂上 秋成//新潮社//F-サ

  

 小川卓巳は大学入試よりも集中して問題用紙を見つめていた。彼が授業よりコンパより楽しみにしていた、漫研の入会試験である。「漫画研究会パラディーゾ」には、どう見てもアブナイ変人の先輩ばかりが揃っていた。しかし、漫画に並々ならぬ情熱を持つ小川は、解答しながら心地よい疲労を味わっていた。

 こんな風に誰かと、自分の大好きな漫画について思いっきり語り合いたい。

 二十人程の入会希望者のうち、合格したのは小川ともう一人、入学初日に彼が一目惚れした黒髪の美少女、天原(あまはら)だけ。見た目に反し、彼女は先輩たちに負けないくらい、重度のマニアだった。

 学年も学科も研究会も同じ。小川と天原は自然と距離を縮める。ある日、天原は小川を家に誘う。一人暮らしの女子の家…!甘酸っぱい展開に失神寸前の小川に突き付けられたのは、彼女が描いた漫画の原稿だった。その瞬間、初めての読者に選ばれた喜びを上回ったのは、嫉妬とあせり。「天真爛漫な子犬」だと思っていた天原の隠されていた才能と、プロを目指す姿勢に衝撃を受けたのだ。そして衝撃はもう一発、「卓巳くんは、漫画家になりたいって、思わないの」。

 ヒロインの天原を始め、キャラの濃い人々がどんどん出てくるが、それに頼ることなく、スト−リーは王道の青春群像劇。本当に好きな人やものに出会えたことの喜びと、それと正面から向き合う時の、他に例えようのない苦しみを描いている。

 

 

 

 

 

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 『100時間の夜』

 アンナ・ウォルツ//フレーベル館//94-ウ

 

 オランダで暮らすエミリアは、アムステルダムの空港からたった一人で飛行機に乗り、自由の国アメリカへとたどり着いた。無断で持ち出した父親のクレジットカードには、十分すぎるほどのお金が入っている。14歳の少女の家出にしては壮大すぎるが、それには理由がある。

 彼女の通う学校の校長である父が、女子生徒に64通ものラブレターを送り続けていたことが発覚し、国中で大きなスキャンダルになったのだ。父はもちろん、エミリアと母まで様々な中傷を受けた。学校の生徒から、会ったこともない人間まで、インターネットやSNSを使って、嫌がらせは延々と続いた。エミリアは事件のこと、自分のことを知る人のいない場所を求めて国を飛び出したのだ。

 しかし自分と一緒に、巨大なハリケーンもアメリカに上陸、というのは想定外。水道と電気、インターネット通信が途絶えた見知らぬ都会。エミリアは知り合ったばかりのセスとアビーの兄妹、映画スターみたいにハンサムな不良少年ジムとともに、ニューヨーク史上最悪の大災害に見舞われる。

 さらにエミリアは、カウンセリングを受けるほどの潔癖症。清潔なトイレやシャワーが使えない環境で、寄せ集めの仲間と不安な日々を過ごすことに…。

 毎日の暮らしの中で、本当に必要なものと「そうではないもの」を見極めるのは難しい。ほこりとバクテリアだらけの凍える街で、それに気づけたエミリアは少しずつ変わっていく。現代の冒険で少女が得た、友情と初恋、家族の絆を描いた物語。

 

 

 

 

 

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  『地球は本当に丸いのか?』

 武田 康男//草思社//448

  

 「地球が丸い」という誰もが知る事実。地球のイラストや地球儀、私たちが思い浮かべる地球はいつも丸い…。実はそれを体感するのも簡単なんです。

 本書のサブタイトルは「身近に見つかる9つの証拠」。丸いという証拠を突き詰めます。

 まず証拠@は、水平線がはっきり見えること。

 もし地球がたいらだったら、水平線は観測者から見て無限に遠い位置にあります。そうするとかすんでしまってはっきり見えないはず。地球が丸いからこそ、水平線は観測者から見下ろす角度にあり、距離が有限になる、ということ。本文中では、よりわかりやすく図入りで説明してくれています。

 他にもA水平線の向こうの景色が沈んで見える B遠く離れると富士山が下がっていく C山に登ると地平線が下がる  …などなど、全部で9つの「証拠」を挙げています。美しいカラー写真、シンプルな図解、なによりわかりやすい説明で、途中で力尽きることなく読めます!

 たった60ページほどで、地球の神秘に触れられる素晴らしい本です。

 

 

 

 

 

 

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 『さよなら、ムッシュ』 

 片岡 翔//小学館//F-カ

  

 小さな出版社で校正(文章のミスを正す仕事)をしている星太郎、27歳。恋人いない歴=年齢。唯一の友達は、しゃべるぬいぐるみのムッシュ。…と聞けば「ちょっとヤバい主人公」を想像してしまうが、星太郎は不思議ちゃんでも変人でもなく、地味だが真面目な青年。

 そして彼に寄り添うのが、昭和の歌謡曲を愛する、底抜けに明るいコアラのムッシュ。母が作ってくれた、話せて動けるぬいぐるみ。母が亡くなった日、7歳だった星太郎に初めて話しかけ、以来二人は親友である。

 二人の少し退屈で穏やかな日常は、星太郎の病気をきっかけに大きく変わる。母と同じ病気が見つかり、医師から余命半年を告げられてしまう。

 ムッシュは絶望する星太郎をはげまし、支え続ける。そう、初めてしゃべった日、ムッシュは言ったのだ。「お母さんがどうしてぼくを作ったかわかる。コアラは漢字で子守熊と書くんだ」と。

 そしてかつて二人で使っていた古いノートを引っ張り出し、「二人の夢」の項目に続きを書き始める。

 切ないラストを予感させるタイトルだけれど、決して「さよなら」だけではない。星太郎とムッシュの輝く日々から、読む人は人生について、命について、愛しい人との別れについて、考え、学ぶことができる。

  

 

 

 

 

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 『みんなでつくる 1本の辞書』

 飯田 朝子・文 寄藤 文平・絵//福音館書店//81

 

 @棒のような形をした長いものを数えることば。

 A映画やテレビ、お芝居などの作品を数えることば。

 B柔道や剣道などの勝負を数えることば。

 これらはすべて「1本」と数えます。日本語を学ぶ外国人を悩ませる「1本問題」に、言語学者である著者が、わかりやすい説明とゆるいイラストで鋭く切り込みます。

 サイコロのような立方体を想像してみてください。それを2つつなげたものはどう数えるでしょう?ひとつ?1個?1本とは数えませんよね。では3つつなげるとどうでしょう?1個?1本??意見が分かれるところです。4つつなげると、ほぼすべての人が「1本!」と数えます。

 次にトイレットペーパーの芯を想像してみてください。これの数え方は「1本」ですよね。では、これが同じ長さでコップのように片側がふさがれていたら…?さらに同じ形で両側がふさがれているものは??

 生きているヘビ、死んでいるヘビ、ヘビのぬけがら、ヘビそっくりのロープ…。「1本問題」はとまりません。この本に364もの「1本と数えるもの」が登場しますが、まだまだ「1本」がありそうです。じっくり読んで納得、みんなで読んでも盛り上がる「1本の世界」をお楽しみください。

 

  

 

 

 

  

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 『オオカミを森へ』

 キャサリン・ランデル//小峰書店//93-ラ

  

 真っ白な雪が静かに降り積もる森で、10歳の少女フェオは母親のマリーナと二人で暮らしている。フェオが生きた1900年代のロシアでは、貴族がオオカミを飼うことが流行していた。マリーとフェオは飼育放棄された彼らを野生に戻す「オオカミ預かり人」の仕事をしている。母娘は町の人たちから変わり者扱いされていたが、自然の中でオオカミたちと穏やかに幸せに暮らしていた。

 しかしある日、ラーコフという残忍な将軍が現れ、「皇帝の狩猟場でマリーナの保護するオオカミが狩りをした」という理由で二人の家に火をつけ、マリーナを罪人として連行していく。フェオはオオカミたちを従え、脱走兵の少年イリヤとともに逃亡する。その際彼女が振り回したスキー板で目を傷つけられたラーコフは、執念深く二人を追いかける。

 数十年に一度の猛吹雪の中、彼らが出会ったのは、同じくラーコフに荒らされた村に住む少年アレクセイだった。アレクセイはフェオの行動に心を動かされる。そして革命を起こすきっかけとなるよう、村人たちの前でフェオに自分の身に起きたことを語らせる。

 「未来は自分たちで守らなきゃならない。こわれやすいものだから。」

 「わたしたち子どもにも、自分が暮らしたい世界を求めて闘う権利はある。」

 彼女の言葉に村の子どもたちが動き出し、そのうねりは大人へと広がっていく。ひとりひとりの胸にともった勇気の炎が集まり、暗い夜を照らす大きな松明となる。フェオたちの革命とマリーナ奪還計画とは一体どんなものだったのか。胸のすくような冒険譚。

 

 

 

 

 

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  『遠野物語』

 柳田國男・作 柏葉幸子・編著//偕成社//91

  

 岩手県の内陸地、遠野は三方を山に囲まれた地域です。『遠野物語』は、そこで育った佐々木喜善さんが村のお年寄りから聞いた話を、民俗学者の柳田國男さんがまとめ、明治時代に発表した物語です。

 森の中に突然現れ消える家「マヨイガ」、住みつくと家が栄えるという「ザシキワラシ」、山に隠れ住む「ヤマオンナ」「ヤマオトコ」、年をとって妖怪になった動物、魂や死後の世界。そして時に妖怪より残酷な一面を持つ人間たち。遠野のものは個性的です。

 また、たいていの昔話のように教訓が含まれていたり、わかりやすい「オチ」がない話が多いのも、言い伝えとも昔話ともつかないこの物語の特徴。口をとがらせたおかっぱ頭の少年みたいな、カッパのズモをナビゲーターに、不思議で怖い話は淡々と語られます。ちなみに遠野のカッパは緑色ではなく赤いそうです。

 この本に書かれているのは『遠野物語』の一部分だけ。遠野についてもっと知りたい!という人は、ぜひ大人向けに書かれたものを読んでみてください。  

 

 

 

 

 

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 子どものためのニッポン手仕事図鑑』

 監修 大牧 圭吾//オークラ出版//75

 

 あなたはどんな手をしていますか?まだ柔らかい子どもの手でしょうか。スポーツする手?日に焼けている?それともたくさん勉強をしている証、ペンだこがあったりして。

 ここには、たくさんのプロの手、職人の手が登場します。

 指先や爪の間に、インクや塗料が染みついたおじいさんの手。まるで糸の方から吸い付いてくるように、滑らかに製糸するおばあさんの手。汚れたり、荒れたり、傷あとがある大きな手。それから、まだ若い職人さんの、ばんそうこうが貼られた手。

 作業する手元には真剣なまなざしが向けられています。この手で作り出すものでお金を得て生きている、ということが伝わってきます。

 和竿(わざお)職人、きりたんぽ職人、食品サンプル職人、まくら職人、輪ゴム鉄砲職人…。見慣れない仕事もいっぱい。どれもがプロの職人です。むちゃくちゃかっこいい、「働く大人」に出会えます。

 

 

 

  

 

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 『英語で読む百人一首』

 ピーターJ・マクミラン//文藝春秋//911.1

 

 日本人に親しみ深い百人一首。流れるような音、短い句に込められた情景や詠み人の心情。その美しさに恋をした著者、アイルランド生まれの翻訳家で詩人のマクミラン氏。

 英訳された百人一首に、へぇー!と驚いたり、なるほど、と感心したり。もちろん不思議な違和感はありますが、古い外国語で書かれた歌を(100首も!)訳し発表する、という偉業に感動します。 

 そして著者の百人一首への強い愛情を感じ、日本人としてとてもうれしい気持ちになります。

 ここで一句。

    For you,

    I came out to the fields

    to pick the first spring greens.

    All the while, on my sleeves

    a light snow falling.

 

 有名なあの和歌です。わかりますか?

 

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  『ジャーニー』

 アーロン・ベッカー//講談社//P-べ

 毎日にたいくつしていた女の子が見つけたのは、魔法の赤いマーカー。水中にも空中にも描けて、描いたものが本物になる。女の子は壁にドアを描き、不思議な世界へと飛び出していく。自分で描いた赤い船や気球に乗り、自由気ままな一人旅をする。そしてお城でとらわれていた美しい紫の鳥を見つける。

 この絵本には文字が一切書かれておらず、主人公の名前すらわかりません。しかし、奥行きがあり、温度や湿度まで感じられるとても美しい絵から、物語は無限に広がります。ドキドキしながらページをめくり、ぱたんと本を閉じる時には、冒険映画を見たかのような晴れやかな気持ちになります。

 ジャーニー、『クエスト』、『リターン』と続き、新刊が出るたびにファンが増えるシリーズです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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