ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

 ※本の詳細はタイトルをクリックして下さい。貸出中の本は予約できます。  

    

 

 

 

 

 

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 『マイク』
 アンドリュー・ノリス//小学館//93-ノ

 

 元プロテニス選手の父を持つ15歳のフロイドは、天才的なセンスとそれにおごることなく重ねた努力で、素晴らしいテニス選手へと成長した。しかし、18歳以下の選手が集まる全英の試合の決勝で、彼は以前から自分に付きまとう不審な男、マイクに試合を妨害される。コートの中を歩き回り、フロイドに「海辺へ散歩に行かないか」と声をかけてくる。フロイドは審判にマイクをコートから出すよう抗議するが、聞き入れられない。審判にも、相手選手にも、彼の両親にも、マイクの姿は見えないという。フロイドはパニックになり、試合は棄権となった。

 その日から、フロイドは熱帯魚ばかり眺めていた。小さい頃から試合で優勝するたびに、買ってもらっていたのは食べ物でもゲームでもなく、熱帯魚だった。音のない世界で泳ぎ回る魚を見ていると、緊張も興奮も遠のき、気持ちが落ち着いた。

 両親はテニスへのプレッシャーと疲れが原因だと言い聞かせ、フロイドをカウンセリングに連れ出す。カウンセラーのピンナー医師は親身になって彼の話を聞いてくれた。そして、早々にマイクの正体に気づいたピンナー氏は、ヒントを与えながら、フロイド自身がマイクの「意味」に気づけるよう導いていく。

 少年が本当の自分を見つけるまでの心の葛藤を描く物語。

 


 

 

 

 

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  『まく子』 

 西 加奈子//福音館書店//91-ニ

 

 バスは1時間に1本。小さなコンビニとゲームセンターが1つ。学校も1つで、ほとんどみんな幼なじみ。山に囲まれた温泉街で旅館「あかつき館」を営む両親と暮らす慧(サトシ)は小学5年生。高学年になってから、身体つきや態度が急激に大人へと変わっていく女子たちに戦々恐々とし、また女子ほどのスピードでなくとも、このままでは自分も大人になってしまうことに違和感を抱いている。浮気をくり返し、母ちゃんや住み込みのおばちゃん従業員に怒られる、女好きな父を見て育ったので、大人、女性、恋愛、性に対して、猛烈な恥ずかしさと抵抗があるのだ。

 ある日、あかつき館に住み込みの従業員として母娘がやって来る。娘は慧と同い年のコズエ。集落や学校にはいない、都会的な雰囲気を持つ少女だった。彼女は人形みたいに可愛く、モデルみたいにスタイルが良かったけれど、それ以上に変わったヤツだった。

 同じ教室から、同じ家に帰る二人はすぐに仲良くなった。そして慧はコズエから秘密を打ち明けられる。「私とオカアサンは、別の星から来たの」と。コズエたちは土星の近くの星からUFOに乗り地球にやってきた、永遠に生き続ける宇宙人だという。いい加減な作り話に、バカにされたと怒る慧だが、彼女はその嘘をつき続ける。

 信じる、とはどういうことか。人と生きていく、とはどういうことか。読めば昨日より「優しい自分」になれる、あたたかい物語。

 

 

 

 

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 『ソロモンの白いキツネ』 

 ジャッキー・モリス//あすなろ書房//93-モ

 

 12歳のソルは、アメリカの西海岸シアトルで父親と2人きりで暮らしている。故郷のアラスカには父方の祖父母が暮らしており、毎週水曜日にハガキをくれている。彼はシアトルの学校で、黒い目と髪を理由にいじめられている。友達はいないし、母親が亡くなってからは、父親ともあまり話さなくなってしまった。

 ある日ソルは町の波止場に白いキツネが住み着いているという噂を聞く。ホッキョクギツネかもしれない。別の世界みたいに遠い場所。両親の故郷で、大好きな祖父母が住んでいて、ソルが帰りたいと思っている場所に生息しているキツネだ。

 彼はキツネに会うために波止場に通った。炎のような目をした真っ白なキツネだった。どうして、こんなところにいるのだろう。もっと生きやすい場所があるはずなのに。ソルは都会の町中に現れた場違いなキツネを、自分に重ね合わせて眺めていた。

 しかし数日後、キツネは保健所の職員に捕まえられてしまう。外来種の野生動物は銃殺されると聞き、ソルは父親を説得し、キツネをアラスカへ帰そうと計画を立てる。父親は交通事故で亡くなった母との思い出が残るアラスカへ行くことをためらっていたが、ソルの熱意に負け、里帰りもかねて2人と1匹は6日間のアラスカへの旅に出ることに。

 ソルも父親も、アラスカの祖父母も、それぞれが心に傷を抱えている。その悲しみにふたをするように生活をしていたが、白いキツネとの出会いから、家族は互いに本音で語り合うよう変化していく。

 

 ソルの祖父母の心の傷、カナダの「同化政策」については、絵本『わたしたちだけのときは』も併せて読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

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 『記憶喪失になったぼくが見た世界

 坪倉 優介//朝日新聞出版//916-ツ

  

 主人公や登場人物が、ある日突然記憶喪失になってしまう!という展開は物語やマンガの世界ではめずらしくない。でも、実際に記憶喪失になった人に会ったことがあるだろうか?

 著者である坪倉さんは、通っていた芸術大学からの帰宅途中、バイクの事故で意識を失う大怪我をする。懸命な治療の末一命をとりとめるが、意識が戻った時、彼の記憶はリセットされていた。家族のことも自分のことも全くわからない。それだけではない。坪倉さんはものの名前や言葉の意味、生活、行動に至るまで人間的な動作の全てを忘れ去ってしまっていた。

 食器の名前と使い方、箸で白いピカピカ(お米)をすくう、口に入れる、入れたら噛む、噛んだら飲み込む。それを目の前で母親にやって見せてもらい、真似することで初めて食事ができたという。

 「おいしい?」と聞かれても「おいしい」とは、どういうことかわからない。「おかず」はその時によっていろんな形や味をしている。「ごはん」は白いピカピカのことだと教わったが「おかず」のことも「ごはん」と呼んだりする。満腹がわからず、出されたものをひたすら食べ続け気分が悪くなる…。食事をするだけでも新鮮すぎる驚きに満ちている。

 家族の献身的な支えで自宅での生活に慣れた頃、坪倉さんは大学に戻る準備を始める。読み書き、電車の乗り方、お金の使い方、授業、友達、学校生活のすべてを一から覚えるのだ。

 昔の自分を取り戻すことに必死だった彼は、いつしか芸術を通して「新しい自分」を生き始める。坪倉さんの手記と、彼を見守る母親の心情を綴った驚きと感動のノンフィクション。

 

 

 

 

 

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  『故郷の味は海を越えて』

 安田 菜津紀//ポプラ社//36

 

 あなたはある日、自分の生まれ育った国を離れなければいけなくなる。帰ってくる日が決まっている、楽しい旅行じゃない。着の身着のまま、友達とのお別れも出来ないまま、命を懸けて別の国へと旅立つのだ。どこへ?それもわからない。着いた先で誰かが自分を助けてくれるという保証もない。それでも、自分や家族の命を脅かされる、この国にはもういられない。…想像できるだろうか。

 戦争や紛争、人権侵害などから命を守るため、やむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちを「難民」と呼ぶ。彼らを、遠い世界の存在だと思ってはいないだろうか。本書は、現在日本で暮らす難民について書かれている。国を離れた理由や日本までの道のりについてのインタビューは、スパイシーな香りがしそうな故郷の料理の紹介と共に語られる。

 たぶん、現代の日本で暮らしている人は、こんなことは自分の人生には起こらないだろうと考えてしまうだろう。でも、インタビューを受けた人々も同じことを話す。「まさか自分が難民になるなんて思いもしなかった」と。

  家族が集う食卓に並ぶ、温かい食事。お昼ごはんに持たせてくれる、手作りのお弁当。スーパーやコンビニに行けばすぐに手に入る、なじみ深いお菓子。そういったもののすべては、平和の上にしか成り立たないと気づかされる。そしてそれを奪う権利は誰にもない、ということも。

 

 

 

 

 

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 『その日、朱音は空を飛んだ

 武田 綾乃//幻冬舎//F‐タ

 

 Q1.あなたは川崎さんについて何か知っていることはありますか。

 Q2.あなたは学校内で誰かがいじめられているところを見たことはあ  りますか。

 Q3.あなたはいじめに対してどう思いますか。

 Q4.今回の事件やいじめについて 学校側に要望がある場合は記入してください。

 

 川崎朱音が校舎の屋上から飛び降り自殺をした。自殺の原因を探る学校関係者と生徒間で広まる噂話。川崎朱音はいじめられていたのか。遺書はあったのか。本当に自殺だったのか。大人の知らぬところで拡散される自殺の瞬間を捉えた動画は、いったい誰が、どのように撮影したものなのか…。

  朱音の死の真相を探るサッカー部の祐介。グループは違うが、朱音に好感を持っていた地味系モブを自認する恵。朱音をいじめていたと複数の生徒のアンケートで名前が挙がった、スクールカースト上位の愛。自殺の現場に居合わせたというのに、普段と様子が変わらない莉苑。朱音と付き合っていた優等生の博。朱音の幼なじみで、サッカー部のマネージャーをしている純佳。

 6人の生徒を通して浮かび上がる、川崎朱音の人物像。彼女を取り巻く同級生たちの交友関係と、それぞれの嘘。進学校という箱庭の中、危ういバランスで生きる「普通の高校生」を描く。最後の章を読んだ後、もう一度初めから読み返したくなる、スクール・ミステリー。

 

 

 

 

 

 

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 『ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン』

 ジョン・グリーン デイヴィッド・レヴィサン//岩波書店//93

 

 シカゴの夜の街で同姓同名、同い年の二人のウィル・グレイソンが出会う。高校2年のウィル・グレイソン(ウィル@)は、自分の意志よりも周りとの調和を重んじ、場の空気を読むことに長け、慎重に生きている。親友のタイニーは無邪気でロマンチスト、底抜けに明るいオープンなゲイ。正反対の性格だが、なぜか一緒にいることが一番多い。ある日ウィル@はタイニーとその女友達ジェーンと夜遊びに出かける。タイニーには同性愛者の仲間が多いので、ウィル@はジェーンに好意を持ちながらも、彼女はレズビアンだと勝手に思い込む。

 もう一人のウィル・グレイソン(ウィルA)には親友はいない。それどころか、毎日「自分が死ぬか、自分以外の人間を全員殺すか」迷っているし、抗うつ剤を飲まないと学校へ通えない。ウィルAの悩みの一つは自分がゲイだということ。ゆううつな毎日を変えるため、勇気を出してSNSで出会った同じくゲイの青年アイザックとデートをすることに。しかし、指定された待ち合わせ場所にあったのは、カフェではなくポルノショップ。恋する相手に騙されたことに気づき、打ちのめされているところ、現れたのはウィル@だった。

 ウィル@に紹介されたタイニーに振り回されるウィルA。ジェーンへの気持ちに気づくが、なかなか恋愛に持ち込めないウィル@。元彼とよりを戻そうか考え中のジェーン。LGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・性自認が定まらない人々を指すクイア、クエスチョニングの頭文字)の地位向上のためのミュージカルを計画するタイニー。2人のウィルの出会いから始まる、恋愛、友情、家族愛。いろんな愛にあふれた物語。

 

 

 

 

 

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 『クジラのおなかからプラスチック

 保坂 直紀//旬報社//51

 

 私たちの身の回りには、プラスチック製品があふれています。自宅、学校、お店。部屋の中、かばんの中、冷蔵庫の中…。プラスチックなんて見当たらない、ということはないでしょう。

 2018年6月、タイの海岸に打ち上げられて死んだクジラのお腹から、大量のビニール袋が見つかりました。その数80枚、約8キロにもなったといいます。飲み込んでしまったビニールを吐き出せず、胃や腸が正常に働けなくなったことが原因で死んだと思われます。ビニール袋はプラスチックを薄く引き伸ばしたもの。人間が作り出し、使い、捨てたものです。海へ流れ着いたプラスチック製品により、クジラだけでなく、ウミガメも魚も海鳥も海獣も、多くの生き物が命を失っています。

 また、最近新たな問題として取り上げられている「マイクロプラスチック」を知っていますか。5ミリより小さなプラスチック片のことを指し、一度海や川に流れ出ると回収が非常に難しい物質です。九州大学の調べでは、日本の周りの海は世界の他の海域と比べて、マイクロプラスチックの量が27倍という調査結果が出ています。マイクロプラスチックを飲み込んだ魚が、私たちの食卓にのぼることは容易に想像できます。 

  プラスチックごみを減らすためには、何をすれば良いのでしょうか。今日からできることを考えてみませんか。

 

 

 

 

 

 

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 『友達以上探偵未満』

 麻耶 雄嵩//KADOKAWA//F-マ

 

  忍者の里、松尾芭蕉の生誕地として有名な三重県伊賀市。探偵に憧れている高校1年生の伊賀ももと上野あおは、たまり場を確保するため、仕方なく放送部に所属している。

 放課後の部室でお菓子を食べてばかりの二人は、部員としての自覚が足りないと部長に喝を入れられ、地元の町おこしイベントの取材をしてくるよう命じられる。一泊二日、ホテルのディナー付きのイベントは、松尾芭蕉とカラフルな忍者に扮して、郷土に関するクイズラリーをする、というもの。参加者たちへのインタビューでの様子から、ももとあおは彼らが知り合い同士で、訳ありでこのイベントに集まったのでは、と考える。そしてイベント二日目に、一人の参加者が芭蕉の句に見立て殺害される事件が起きる。探偵志望の二人は怖がるどころか、犯人を捜そうと目を光らせる。

 刑事の兄を持ち、好奇心旺盛で何事にも首をつっこみたくなる直感型行動派のもも。テンション低めだけど、抜群の記憶力と豊富な知識で謎を解く、頭脳派のあお。不思議なライバル関係にある二人は相方より先に謎を解くべく奔走する。勝てばホームズ、負ければワトソン。桃青の推理合戦三本立て。 

 

 

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  『エジソン ネズミの海底大冒険』

 トーベン・クールマン//ブロンズ新社//P-ク

 

 古い本屋の棚の裏には、ネズミたちの学校がある。ある日、長い口ひげを持つネズミ教授の元へ、好奇心旺盛な学生のネズミ、ピートが訪ねてくる。彼は教授の知恵を借り、自分の先祖が残した宝物を探し出したいという。先祖代々に語り継がれてきたひいひいひい…じいさんの宝である。

 2匹のネズミは本屋に眠る古い書類や戸棚の資料から、宝のありかを特定するが、それは何と大西洋に沈没した船の中だった。がっくりと肩を落とすピートに、教授は「ネズミだから」という理由であきらめてはいけない、とさとす。かつて空を飛んだネズミや月を目指したネズミがいるというのだ。海底での宝探しだって出来ないわけがない!

 どうしたら海底までたどり着けるのか。ご先祖様が残した宝とは何か。そして沈没した船に乗っていたご先祖様はどうなってしまったのか。2匹の謎解きと大冒険が始まる!

 ため息が出るほど美しいイラストで、困難に立ち向かう小さき冒険者たちを描く、トーベン・クールマンのネズミシリーズ。ほかにも

 

  『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』

  『アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険』 があります。

 

 

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