ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

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 『宝の地図をみつけたら』
 大崎 梢//幻冬社//F-オ

 

 山梨県の大学に通う晶良(あきら)のもとに、久しぶりに現れたのは、東京に進学した幼なじみの伯人(はくと)。晶良が郷土史研究会というサークルに入っていることを知った伯人は、昔のように二人で埋蔵金探しをしよう、と持ち掛ける。

 家族ぐるみで仲が良かった二人は、小学生の時に互いの祖母たちがこそこそと埋蔵金について話すのを立ち聞きした。そして隠されていた「金塊が眠る幻の地図」を手に入れ、宝探しに夢中になる。とはいえ、小学生が大人に隠れて行動できる範囲はしれている。中学生になる頃には、その熱はすっかり冷めていた。

 とある事情から埋蔵金を探し当てたいという、かつての相棒伯人に連れられ、晶良は地図に描かれた場所、六川村を再び訪れた。

 人が住まなくなって久しい村は、数年前に訪れた時よりも、さらにすたれていた。しかし村の家に、真新しい足あとや食べ物のゴミを見つける。二人の他にもここを訪れた者があり、村を荒らした形跡があったのだ!

 誰も知らないはずの秘密、宝の地図と六川村。そこに埋蔵金を狙う「ヤバい奴ら」が次々と現れ、晶良と伯人は事件に巻き込まれてしまう。

 お宝ミステリー、監禁サスペンス、山岳アクション、友情と恋愛。盛りだくさんな冒険小説。

 


 

 

 

 

 

 

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 『風船で宇宙を見たい!』 

 岩谷 圭介//くもん出版//74

 

 子どもの頃から宇宙が大好きだった著者、岩谷さん。大学生の時に「アメリカの学生が、風船をくくりつけたカメラを飛ばし、宇宙と地球の撮影に成功した。」というニュースに衝撃を受ける。それまで宇宙は手の届かない遠くのものとして眺める、憧れでしかなかった。しかし同じ学生が、宇宙へ手を伸ばしていると知り、自分でも宇宙を撮影してみたい!と動き始める。

 ヒントは風船とカメラだけ。岩谷さんは風船を徹底的に研究する。空に浮かぶ風船には、中に空気ではなく、ヘリウムガスが入っている。どのくらいの大きさの風船で、何グラムのものを持ち上げられるのか。どのくらい風船が上昇すれば、宇宙を撮影できるのか。どんな風船がいくつ必要なのか。そして実験には、どんな危険性があるのか。

 わからなければ、試してみるしかない。そうしてわかったことを少しずつ増やして、実験を続けるしかない。

 風船につけたひもがほどけ、カメラごと空の彼方に飛んで行ってしまったり、風に流され海に落っこちたり、まっすぐ上昇したと思ったらカメラのレンズが曇っていてピンボケ写真ばかりだったり…。

 初めて満足できた撮影は、改良を繰り返した風船カメラ11号機。それも一万枚以上撮影した中のたったの一枚だった。

 挑戦をしなければ、失敗することはない。落ち込むことも傷つくこともない。しかし、たくさん失敗を重ねることで、道が出来ていく。何度失敗しても、あきらめずに挑戦するという選択には、無限の可能性が秘められている。

 

 

 

 

 

 

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 『木の中の魚

 リンダ・マラリー・ハント//講談社//93-ハ

 

  アリーは読み書きができない。本を読もうとすると頭が痛くなるし、文字はぐにゃぐにゃと動いて見える。間違いを笑われることが怖くて、授業中は緊張と不安でドキドキしている。

 実はアリーはディスレクシアといわれる、読み書きのみが苦手という「脳のくせ」を持っているのだが、本人も家族も先生たちも、そのことに気づいていない。さらに周りの人たちは、宿題を提出せず、授業中先生にあてられても発言しない彼女を、不真面目で反抗的な生徒だと思っている。

 ある日彼女のクラスに、新任のダニエルズ先生がやってきた。彼は今までの先生と違い、アリーの授業態度に怒らなかった。アリーのできること、できないことを細かく見定め、何が必要かを一緒に考えてくれた。そして他のクラスメイトとは違う方法で勉強を教え、アリーもそれにこたえるように少しずつ読み書きを習得していく。

 彼女の学校には、様々な生徒がいる。いじめる子、いじめられる子。家族と離れて生活する子。外国からの移民。家が貧しい子。親の期待に心が折れてしまいそうな子。ダニエルズ先生は、それぞれの生徒が得意だと胸を張れることを見つけるため、教科書には載っていない、ユニークな授業を行う。

 みんな違うから面白い。互いを認め合い、自信を持つことの素晴らしさを教えてくれる物語。

 

 

 

 

 

 

 

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 『メイク・ビリーブ・ゲーム』

 リアノン・ラシター//小学館//933-ラ

  

 共に2人の子ども連れで再婚することになったピーターとハリエット。妻の子はローリー(16)とキャトリオーナ(15)の兄妹。夫の子はキャスリン(13)とジョン(10)の姉弟。6人家族としての生活が始まるが、義理の姉妹の間にはケンカが絶えない。理由は元々それぞれが「キャット」と呼ばれていたが、2人とも「自分がキャットだ」と愛称を譲ろうとしなかったことだ。

 そんな中、一家は夫の亡くなった前妻(キャスリンとジョンの母)の生家で休暇を過ごすことになった。イギリスの湖水地方にある古くて大きな屋敷である。両親は旅行をきっかけに娘たちが打ち解けることを願っていた。

 しかし、屋敷に着いたとたん、不気味な出来事が一家を迎える。ふいに感じる誰かの視線。動いたような気がする骨董品。連日の悪夢。

 キャトリオーナは固く封をされた箱の中から、目をくりぬかれた人形と本物の人間の長い髪を植え付けられた人形を見つける。人形は箱に戻しても、戸棚にしまっても、気が付けばキャトリオーナのポケットやバッグの中に入っている。

 キャスリンは家具の後ろに隠された小部屋で「メイク・ビリーブ・ゲーム」と書かれたノートを見つける。物語の登場人物を森に巣くう悪しきものに捧げる方法や、人形に霊を閉じ込める呪いなど、黒魔術のような遊びについて書かれていた。

 ローリーとジョンは森での恐怖体験から、屋敷の近辺に隠されている誰もが話したがらない秘密について調べ始める。

 バラバラだったきょうだいは、それぞれの方法で恐怖に立ち向かい、いつしか団結していく。

 森のひんやりとした冷たさ、子どもたちに降りかかるぞくりとする恐怖。暑い夏にぴったりのホラー・ファンタジー。

 

 

 

 

 

 

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  『マレスケの虹』

 森川 成美//小峰書店//91-モ

 

  1940年代、ハワイ諸島、ハワイ島。ここで暮らす日系人のマレスケ(希典)。マレスケの祖父は仕事を求め、祖母と幼い父を連れて日本からハワイに移住した。言葉の通じない国で必死に働き、その後父が写真お見合い(一度も会わずにお互いの写真だけで結婚を決める)で日本から母を花嫁として迎え入れ、生まれたのが姉、兄、マレスケの三人である。姉弟はハワイで生まれたので、アメリカの国籍を持ち、日系二世と呼ばれる。

 マレスケが9歳の時、祖母と父が病気で亡くなると、母は日本に帰ってしまった。姉兄三人はハワイに残り、食料や日用品を扱う商店を営む祖父と暮らしている。

 マレスケはハワイの公立学校に通いながら、祖父のすすめで放課後は日本人学校に通っている。自分は完全にアメリカ人だと思っている彼は、祖父や日本人学校の剣道の先生が語る「大和魂」みたいなものがピンとこない。

 日本で暮らす母のこと、進路のこと、積極的な彼女レイラニのこと。思春期の悩みを持ちながらも、ハワイ独特の多文化でゆったりとした風土の中で、成長していくマレスケ。しかし、第二次世界大戦の只中で世界情勢は揺れていた。そして1941年12月、マレスケたちが暮らす島と同じハワイ諸島にあるオアフ島のパールハーバーが日本に爆撃される。

 ハワイに暮らす日本人、日系人の心は複雑だ。自分の祖国、またはルーツを持つ日本。移民である自分たちを受け入れ、共に生活してきたアメリカ。二つの国に挟まれ、どちらの味方をすればよいのかと途方に暮れる。

 さらに祖父や日本人学校の先生たちが「敵国の文化を広めた」としてFBIに連行される。姉はアメリカ人の恋人に別れを告げられ、兄は日系人部隊に志願し、戦争に行ってしまう。

  当時のハワイは、人口の四割が日系人だったという。そこで生きた人々に焦点を当て、戦争を描いた一冊。

 

 

 

 

 

 

  
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 『テオのありがとうノート

 クロディーヌ・ル・グイック=プリエト//PHP研究所//95-グ

 

 生まれつき手足に障がいを持つテオは、10年以上も車いすで生活している。両親と弟と離れ、障がい者支援施設で暮らす彼は、ある朝自分が「ありがとう」ばかり言っていることに気が付いた。起きてから、いくつお礼を言っただろう。車いすに乗せてもらって、タオルを出してもらって、ベッドを整えてもらって、着替えを手伝ってもらって…。「してもらう」ことにうんざりした彼は「ありがとう」を極力言わないことを決心する。

 突然お礼を言わなくなった彼を心配した職員たちは、気分転換にとスポーツをすすめる。気乗りしないテオに、トレーナーのパトリスは軽い調子で「着替えて」や「靴を履き替えて」などと言う。今までは何も言わなくても、介護士が手伝ってくれていたのに!とテオは腹を立てるが、パトリスにお礼を言いたくない一心で、時間をかけてどうにか着替えを済ませる。

 そのことから、テオは身の回りのことを、自分でできるように工夫し、「ありがとうノート」を作ることに。人にやってもらわず、自分でできたら「ありがとう」を減らすことができる。一日にいくつ減らせるか、ノートに記録するのだ。

 最初は「ありがとう」を減らすことばかり考えていたが、施設の年少の子たちの手伝いをすれば、自分がお礼を言ってもらえることにも気が付いた。言った「ありがとう」はマイナスで、言われた「ありがとう」はプラス。ありがとう貯金を始めたテオは、前向きな気持ちになり、苦手だったパトリスとも、卓球を通じて信頼し合える関係になれた。

 毎日の生活に悩みはつきものだ。テオはその度、じっくりと考え、答えを出そうとする。悩み事にまっすぐ向き合う様子がとてもすがすがしい。

 

 

 

 

 

 

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 『ビューティフル・ネーム』

 北森 ちえ//国土社//91-キ

 

 夏休みに「ゆめ☆わくわく サイエンスプロジェクト」という大学のイベントに参加することになった中学一年生の桃子。そこで男子大学生のブラックさん(桃子が付けたあだ名)と一緒に動物実験を行うことに。実験のテーマは「名前を付けられたラットは、他のラットより幸せに生きられるか」。名前を呼ばれながら世話をされたラットと、番号や記号で識別されたラットを同じ環境、条件で飼育した時、発育や健康状態、人間への反応に違いが出るか、という実験だ。

 二人は「ピーチ」「クロキ」と名付けた2匹と、名無しの2匹、合計4匹のラットの飼育と観察を始める。

 桃子はラットを見つめながら、自分が学校で「すみっこさん」と呼ばれていることを考えていた。いじめられているわけではない。けれど休み時間は誰とも話さず、本を読んだり絵を描いたりしている。いつも一人で教室のすみにいる、すみっこさん。桃子が人付き合いを苦手に思うようになったのは、小学校時代のある事件が原因だった。

 楽しくなってきた実験。愛らしいラットたち。なぜか気の合うブラックさん。居心地の良い研究室で、桃子が打ち明けた悩みに、ブラックさんは「名前を読んでもらうには勇気が必要」と言う。でもそんな彼にも悩みがあって…。

 すみっこから、一歩踏み出す勇気。頑張りたい!という気持ちを応援してくれる物語。

 

 

 

 

 

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 『おにぎりの文化史

 横浜市歴史博物館・監修//河出書房新社//383

 

 丸?三角?たわら型? 海苔はパリパリ?シナシナ? そして最重要事項、中の具はなにが好き??

 おにぎりの話である。たいして仲良くない人とでも、この話題を振ればまず大丈夫。おにぎりは日本で育った人であれば、誰もが口にしたことがあり、なおかつ嫌いな人がいない(であろう)国民食だからである。

 日本人はいつからおにぎりを愛しているのか。まわりに海苔を巻くスタイルはどこから始まったか。江戸時代の浮世絵に描かれたおにぎりと思われる物体の正体。中の具人気ナンバーワンとは。博物館の持てる知識を総動員して、おにぎりを文化的に解き明かす。

 遺跡から出土した日本最古?のおにぎりから、おにぎらず、スティックおにぎり、悪魔のおにぎり(それぞれのレシピ本、図書館にあります!)などの最新おにぎりまで、米の魅力をぎゅっと握った、本気の一冊。

 一つのテーマについて様々な視点から分析、考察し、情報を集める。調べること、知ることの面白さを教えられます。

 

 

 

 

 

 

 

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 『君の話

 三秋 縋//早川書房//F-ミ

 

 かわいい、もしくはかっこいい幼馴染み。きょうだいみたいに育ったのに、中学くらいから恋愛対象として意識する。相手も自分に好意を抱ている気がする。告白しようか。それとも今のまま幼馴染みのポジションをキープしている方がいいだろうか。もやもや…。っていう青春はどうだろう。憧れシチュエーションではないだろうか。

 主人公の千尋は、家族、同級生、バイト先の同僚など、人との関りを避けて生きる男子大学生。暗い過去から逃れようと、「子ども時代両親から愛されなかった記憶」を消す薬を買い求める。彼の生きる世界では、記憶の除去や、偽りの記憶を植え付けることが治療として認められている。

 しかし、彼の元に届いたのは、記憶を消す薬ではなく、青春時代の甘酸っぱい記憶を植え付けるものだった。その日から、彼はめちゃくちゃ自分好みの幼馴染み、灯花(とうか)の偽の思い出に振り回される。こんなはずではなかった!と彼女の記憶を除去する薬を処方してもらうが、薬を飲むことをためらってしまう。

 そんなある日、千尋の住むアパートの隣室に女性が引っ越してくる。彼女は記憶の中の少女が成長した姿をしており、千尋に自分は幼馴染みの灯花だと名乗る。灯花は偽りの記憶のはず。千尋は混乱する。

 冴えない自分に可愛い幼馴染みがいて、隣の部屋に引っ越してきてくれて、「ちゃんとごはん食べなきゃダメだよ!」とか、ふわふわのパジャマで「おやすみ」って言ってくれる。最高にラブコメみたいな展開なのに、千尋は新手の詐欺ではなかろうか、と思い悩む。

 「君は、色んなことを忘れてるんだよ」とさみしげに笑う、彼女の正体とは…?

 

 

 

 

 

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  『Michi みち』

 junaida//福音館書店//P-ジ

 

 美しい文様の入ったドアを開けて、一人の男の子と一匹の猫が歩き出す。カラフルな家が崖に立つ町、大きな機関車でできた町、本を積み重ねたような町(人々はいたるところで読書中)、大きな滝の途中にある水の都、雪男?が住んでいる雪山の町…。

 1ページごとに、新しい町。けれども、道は繋がっている。

 さて、男の子と猫が旅を始めたのと同じ頃、同じく美しい文様の入った別のドアを開け、女の子と犬が旅に出ていた。

 女の子が進むのは、サーカスの町、おばけの町、海底の町、そして…。

  変な傘。謎のお店屋さん。サンタクロース?人魚?赤ずきんちゃん?こんな町での暮らしはどんなに楽しいことだろう。男の子、女の子と旅をするようにページをめくれば、ドキドキするような冒険が始まる。

 隅々まで眺めて楽しめる、文字のない絵本。

 

  

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