ヤングアダルト(YA)の本

 

 

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 YA(ヤングアダルト)とは、13歳〜18歳くらいの若者を表す言葉です。その世代に人気のある本や、触れてほしい名作、生き方や進路に悩んだときに参考になる本、趣味の本など、様々な分野の本を選んでいます。中高生の読書推進を目的としていますが、大人の方も楽しめるコーナーです。

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 『フランケンシュタイン家の双子』 

  ケネス・オッペル//東京創元社//933-オ

  

 こめかみにボルトが刺さったつぎはぎ男、のことではない。『フランケンシュタイン』の原作ではあの怪物に名前はない。フランケンシュタインとは、怪物を生み出した科学者の名前である。

 迷いそうなほど立派な城に大勢の召使い。フランケンシュタイン家は、両親、コンラッドとヴィクターの双子、幼い弟アーネストとウイリアムの四兄弟、遠い親戚の少女エリザベスと暮らしている。そこに幼馴染みのヘンリーもしょっちゅう出入りし、切磋琢磨し合いながら成長していた。

 ある日城を探検していた双子とエリザベスは、地下へと続く隠し階段を見つける。地下室には「禁書」と呼ばれている、錬金術に関する本が人知れず保管されていた。父に地下室に入ったことをとがめられたが、3人はそこに眠る暗い知識に心惹かれていた。

 数日後、双子の兄コンラッドが熱病におかされる。何人もの医師が城を訪れるが、彼は日に日に衰弱していく。兄の命の危機に、ヴィクターは錬金術のことを考えていた。地下で見た禁書の中に、不老不死について書かれていたものがあったのだ。

 ヴィクター、エリザベス、ヘンリーは老齢の錬金術師ポリドリの元を訪ねる。そこで知らされた、不老不死の霊薬を作るための材料とは…。

 不気味な魅力を持つ錬金術に、双子の絆、コンラッドとエリザベスの恋、そしてヴィクターの嫉妬。それらを混ぜ合わせれば、何が生み出されるのか。フランス革命の時代、若き日のフランケンシュタイン博士を描くダークファンタジー。

 

 

 

 

 

 

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 『神さまの森、伊勢』

 今森 光彦//小学館//29

  

 伊勢神宮が誕生してから2000年ものあいだ、神域として人の立ち入りを禁じている伊勢の森。木々に埋め尽くされた山の、見渡せるすべてが境内です。

 撮影のため、特別にこの森に入ることを許された著者は、うっそうと茂る原始の森に圧倒されます。昼間でも薄暗く、じめじめとした空気は、朽ちた木のにおい。強い風に倒された針葉樹。神さまの使いのようなシカ。水しぶきをあげる滝。そして「森の守り人」と呼ばれるヒノキを育てる人々と出会います。

 暖かく湿った伊勢の森では木が朽ちるのが早く、20年ごとに神宮の社を建て替えなければなりません。それには樹齢200年以上のヒノキが1万本必要ともいわれます。それらはすべて、この伊勢の森だけでまかなわれます。守り人たちは、長い年月をかけてヒノキを育てているのです。

 写真家、今森光彦氏が2年間かけて撮りおろした伊勢の森。そこは、人が心を込めて見守ってきた神さまの森です。 

 

 

 

 

 

 

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  『ジョージと秘密のメリッサ』

 アレックス・ジーノ//偕成社//93-ジ

  

 10歳のジョージは性別は男の子だけれど、心は女の子。体と心の性の不一致に悩んでいる。誰にも相談できず、一人でこっそり雑誌の『ガールズライフ』を読むのが幸せ。ひらひらのスカート、カラフルなメイク道具、女の子たちの恋愛事情…。ジョージは女の子でいられる時間、自分を「メリッサ」と名付けている。

 ある日、ジョージの学年で『シャーロットのおくりもの』の劇をすることが決まる。重要な登場人物、クモのシャーロット役に立候補したいジョージは、親友のケリーとセリフの練習を重ねる。優雅なメスのクモを舞台で演じることで、家族に自分をわかってもらいたいという気持ちがあった。しかし、オーディションの日、ジョージは先生から「女の子が何人も立候補しているのに、男の子のあなたを選ぶわけにはいかない」と言われてしまう。落ち込むジョージに、シャーロット役に選ばれたケリーはある提案をする。

 物語の中でジョージは一度も「女の子になりたい」とは言わないし、思ってもいない。悩みは「自分が女の子であることを、どうしたらわかってもらえるか」である。

 これから成長し体の変化とともに、ジョージの悩みや苦しみはさらに増えるかもしれない。しかし、自分を理解しようと思ってくれる人がいる、愛されている、という安心感に支えられ、ジョージはいつか本当にメリッサになるのだろう。

 

 

 

 

 

 

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  『しゅるしゅるぱん』

  おおぎやなぎ ちか//福音館書店//91-オ

  

 物がなくなったり、風もないのに物が倒れたり落ちたりした時、または一本道のはずなのに迷ったり、いつまでたっても目的地に着けなかった時。そんな時、朱留町に暮らす人は「しゅるしゅるぱん」と言う。しゅるしゅるぱんは朱留山にすむ神様が起こすいたずら。それに気づいた人は「しゅるしゅるぱん」と口に出して言うのだ。

 6年生の春から、父の故郷の朱留町でおばあちゃん、ひいおばあちゃんと一緒に暮らすことになった解人。慣れない田舎での新生活、彼の周りでは不思議なことが次々と起こる。これがしゅるしゅるぱん?と首をかしげる解人の前に、裸足にランニングシャツと短パン姿の少年が現れる。しかも、彼は解人以外の人には見えないようだ。自分を「しゅるしゅるぱん」と名乗る、どこからどう見ても怪しい少年。

 じつはこの「しゅるしゅるぱん」、幼き日の解人の父と祖母も遭遇していた。妖怪?おばけ?幽霊??その真相は昭和へとさかのぼる…。ひいおばあちゃんから孫まで、現在と過去を行きかいながら描かれる、切ない家族の物語。

 

 

 

 

 

 

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 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』

 川上 和人//新潮社//488

  

 「いやめっちゃ好きやん。」とツッコミを入れずにはいられないほど、狂気的、盲目的、変態的な鳥愛にあふれた本です。著者は図鑑の監修までしている鳥類学第一人者ですが、全然すごさを感じさせないのがいいところ。生物学の知識がなくても大丈夫!むしろ細かく詰め込まれたギャグには、映画、アニメ、漫画等のサブカル知識が必要です。

 鳥の糞に鼻息荒く興奮し、洞窟では無数のハエ、海では獰猛なウツボ、ジャングルでは巨大蛾と戦い、絶海の孤島にて鳥の進化に思いをはせる。フィールドに出られない日は、キョロちゃん(森永のお菓子「チョコボール」のキャラクター)を鳥類学的に考察し、その生態(?)を鋭く解析。

 「研究に努力賞はない。いかに準備が綿密でも、結果を伴わなければ意味をなさない。」と厳しく現実的なことを言いながら「実利の小さい学問の存在理由は、人類の知的好奇心である。」とロマンも持ち合わせている。自然と生命を愛し、生涯を捧げるほどの情熱でライフワークに向き合う著者だからこその重みのある言葉だ。

  

  

 

 

 

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 『この闇と光』 

 服部 まゆみ//KADOKAWA//F-ハ

  

  森の奥の城でひっそりと暮らす、盲目の王女レイア。国王である父に溺愛され育てられている。美しい音楽、たくさんの物語、フリルやリボンのついたドレスに囲まれ、不自由なく暮らしているが、城から出ることはできない。「目が見えないものは魔女だ」と信じている者がいるため、外は危険だと父からきつく言われているからだ。

 レイアの周りには父、意地悪な世話役のダフネ、城の一階にいるらしい何人かの兵士しか人間が存在しない。しかし、彼女が13歳になった時、世界は天と地がひっくり返るような驚くべき変化を見せる。自分の居場所や信じていたものがすべて偽りだったとしたら…。

 レイアの生活に小さな疑問や違和感を積み重さねていた読者も、彼女とともに混乱の中に落とされる。美しい幻想と残酷な現実が混ざり合う、ゴシックミステリの傑作。

 

 

 

 

 

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  ぼくのとなりにきみ』

 小嶋 陽太郎//ポプラ社//91-コ

 

 中学一年生の佐久田(サク)は、親友の長谷川(ハセ)と夏休み最終日、自由研究のために近所の古墳を見学に行く。古墳がお墓だと気づき、二人は見学を早々に切り上げるが、そこで古い茶筒のようなものを見つける。中にはカタカナや数字の羅列が書かれた、黄ばんだ紙が入っていた。

「宝のありかを示す暗号に違いない!」と、新学期の教室で白熱する二人の元に近田さんがやってきた。ハセは冒険といえば3人組、と変わり者の彼女を徳川埋蔵金(宝=埋蔵金)探しのメンバーに引き入れる。

 マイペースで運動神経の悪い近田さんは、はっきり言って足手まといだ。それなのに、どんなことにも一生懸命で前向きな彼女を見ていると、サクはイライラしてくる。それは頑張っても、元水泳選手の父の期待に答えられなかった自分を重ねているからだ。しかしある日サクは、彼女が常に一生懸命な理由を知ることになる。

 思春期の複雑な心と、少しずつ解けていく暗号。3人が見つけた宝物とは…?

 

 

 

 

 

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 『おいしい和食のキホン

 村林 新吾・相可高校調理クラブ//岩波書店//59

 

 「高校生レストラン まごの店」は三重県、相可高校食物調理科の生徒のための研修施設。調理クラブの生徒たちが運営しています。最初は屋台でパック詰めした料理を販売していましたが、人気を博し現在の本格的なレストランの形になりました。もちろん、生徒たちは学業最優先のため、まごの店は土日、祝日のみの開店です。

 この本では調理クラブの生徒たち直伝の料理のレシピが紹介されています。プロ顔負けと評判高い調理師の卵たちの作る料理なんて、すごく高度では?と緊張しますが、ほぼすべての工程が写真入りで説明されていて、初心者にもとても親切です。だしのとり方から始まり、お味噌汁の作り方、ご飯の炊き方、包丁の使い方、野菜の切りかた、下ごしらえの仕方など、「誰でもおいしく作れる料理のポイント」をまごの店流にまとめています。

 おいしそうな料理の写真はもちろん、生徒たちが真剣なまなざしで魚をさばいたり、大きな中華鍋を振る姿もとてもカッコいい!日の出より早く起きて、先生とともに食材の仕入れに行ったり、開店前後に隅から隅まで掃除をしたり、お客様から見えないところで努力する姿も輝いています。

 

 

 

  

 

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 『天界の眼 切れ者キューゲルの冒険』

 ジャック・ヴァンス//国書刊行会//933-バ

 

 異世界ファンタジーかと思えば、舞台は数十億年後の未来の地球らしい。そこは科学が衰退し、魔法が復活した滅びゆく世界。

 キューゲルは大魔法使いイウカウヌの屋敷に盗みに入った罰として「天界を映す魔法の尖頭」を探す羽目になる。逃げたりなまけたりすると内臓をキリキリと締め付けてくるエイリアンを植え付けられた状態で。冒険の始まり方にしては、たいそうかっこ悪い。

 キューゲルは主人公にふさわしくないゲス男。だます、盗む、悪態をつく。女好きだが、都合が悪くなれば女性であろうとあっという間に裏切る。プライドだけは無駄に高いナルシスト。

 こんな男だから、次々と危機が迫っても読者はさほどハラハラしない。ええ、しょがないやつなんです。存分にやっちゃってくださいな。くらいの気持ちになる。

 魔法、呪い、妖魔、魔術師、幽霊、食屍鬼…。なんでもアリのデストピアで繰り広げられる小悪党のグダグダ冒険活劇。

       

 

 

 

 

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  『ネコヅメのよる』

 町田 尚子//WAVE出版//P-マ

 

 その日。ネコたちは何かに気づく。

 おや?あれ?もしかして…。

 その夜。あっちからも、こっちからも、ネコ。

 集まったネコたちが猫背をのばして立ち上がり、見上げるものとは…?

 

 見てください。表紙のネコの何とも言えない表情を!!寝起きのしかめっ面、らんらんと光る好奇心にあふれた目、ネコ同士の会話、そして最後のページの飼い主にも秘密の顔…。可愛いだけじゃない、どこか神秘的でミステリアスなネコの魅力がいっぱいです。

 ネコたちが楽しみに待っている「ネコヅメのよる」って一体何でしょうか…?

 

 

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