イギリスは、わが国とともに庭園と風景画の芸術が発達しました。コンスタブルはそのイギリスの風景画家です。自然主義的風景画派の創始者といわれ、フランスの印象派の若い画家たちに影響を与えました。この絵にみられますように、イギリス特有の広々とした空と大地を描きつづけました。
《私が絵の中で試みることは、光、露、微風、咲きそめた花、爽やかさである。》という彼の言葉からもうかがわれるように、細やかな自然の観察によって、その空間の広がりや光の働きなど、大気の雰囲気を刻明に追求しています。ことに、幾重にも重なった色層をもって深々とした色感をもつ緑は、コンスタブルの得意とするところでした。また、巧みな明暗のコントラストによって自然の生きた動静をつたえています。